復 活 祭
イエス・キリストが甦られたことを祝う祭りです。クリスマスが12月25日固定なのに、イースターは毎年違う日に行われます。それは春分の日以後の満月の日の後に来る日曜日をイースターと定めているからです。ですから、イースターの日付は春分の日以後1ヶ月ほどの暦日付を前後します。 春分の頃といえば、西欧では、そして日本の多くの地域でも長かった冬に終わりを告げる季節です。動物は冬眠から目覚め、新生児を連れて穴から抜け出てくるようになります。春を告げる小鳥は南からやってきて、つがいを求め愛の歌をささやきます。植物はいっぺんに開花し、野山や町を彩ります。人間も冬ごもりから解放され、恋人や親しい人が住む家を訪れることができるようになります。 すべてが活き活きと輝きだす季節ですね。イエス・キリストの復活にあわせて自然界も息吹を取り戻します。もっとも、北半球の、しかも温帯以北の話ですが。
過ぎ越しの食事(最後の晩餐)をしたのはユダヤ暦ニサンの月の13日の晩、ユダヤでは一日の始まりが夕刻に始まるので、14日の始まった夜に最後の晩餐をとり、詩編を賛美し、続いてオリーブ山へ登り、イエス・キリストが祈られたあと、夜半に兵士たちに捕縛されます。そして元大祭司アンナス邸で14日(金曜日)の夜明けを迎えます。その日の夕方には祭りの大切な聖日・15日(土曜日=安息日)に入ってしまうので、死体を放置して安息日を汚すわけにはいきません。どうしてもその日の内に磔刑にして、しかも死体を墓に葬らなければなりません。もちろんそれは処刑する方の為政者側の都合です。審理もろくすっぽ行わず、電光石火でイエスを十字架刑に処してしまいます。
奇跡が起こったのは週の初めの日(16日・日曜日)の、朝がまだ明けない時でした。イエスに従っていた婦人たち(マグダラのマリア、母マリア、サロメ)はその当時の習慣通り、死者のため泣くために墓を訪ねました。墓には円盤状の大きな石の扉がついています。