聖歌527番 北はグリンランドの
作詞;レジナルド・ヒーバー(1783-1826)
作曲;ローレル・メイソン(1792-1872)
曲名;「海外宣教賛美歌」
『そのとき、弟子たちに言われた。「収穫は多いが、働き手が少ない。だから、収穫の主に、収穫のために働き手を送ってくださるように祈りなさい。」』マタイ9:37,38
この賛美歌は、レジナルド・ヒーバーによって作られた1819年以来、今まで作られた賛美歌の中でも、最もすぐれた海外宣教賛美歌のひとつであると一般に考えられてきた。ヒーバー自身、19世紀に活躍した英国の賛美歌作者の中でも、最もすぐれた賛美歌作者として位置づけられている。ヒーバーは、全部で、57の賛美歌を書き、そのすべてが、今なお、用いられており、まれにみる天才賛美歌作者と評される。
英国教会で奉仕をしている間ずっと、ヒーバーは、世界宣教に、強い関心を抱いていた。彼の著作や影響力は、プロテスタント界に、宣教運動を強く促した。1822年、彼の世界宣教への関心は、インドのカルカッタの司祭に任じられると言う形で報いられた。しかし、この職務に就いて、わずか3年の激務の後、彼は健康を損ね、43歳という若さで世を去った。
1819年の夏、レクサムの牧師館に、義理の父であるディーン・シャーリーを訪ねたおり、ヒーバーは、聖霊降臨日である次の主日に、宣教礼拝を行うために、ふさわしい宣教の賛美歌を知っているかと尋ねられた。数分間の静かな黙想の後、彼は、この詩の最初の三行を書いたと伝えられる。ディーンとその家族の者たちは、大喜びであったが、ヒーバーは、未完成の賛美歌だと感じた。彼は、書斎に戻ると、短い間に勝利に満ちた最後の行を書き上げた。
レジナルド・ヒーバーは、聖歌96番「聖なるかな」の作詞者でもある。
「宣教賛美歌」のメロディーは、1824年、アメリカの教育者であり、教会音楽家であったロウェル・メイスンにより、この詩のために特別に作曲された。この詩が書かれたときと同様、メイスンは、このメロディーを大いなる霊感のもと、非常に短時間のうちに書き上げたと伝えられる。
メイスンの作曲した賛美歌は、このほかに、聖歌260番「主よいよいよ」、聖歌158番「十字架にかかりし」、聖歌317番「かみをあがめ」、聖歌122番「たみみなよろこべ」、聖歌270番「世をあがのう」、聖歌94番「ひかりかがやく」などがある。