神様の領域聖歌 157番 I Gave My Life for Thee

聖歌157番 われいのちを

作詞;フランシス・R・ハバガル(1836-1879)
作曲;フィリップ・P・ブリス(1839-1876)
曲名;「ケノーシス(神性放棄)」 引照;「また、キリストがすべての人のために死なれたのは、生きている人々が、もはや自分のためにではなく、自分のために死んでよみがえった方のために生きるためなのです。」第2コリント5:15

しばしば、「賛美歌のもっとも美しい声」と言われる、フランシス・リドレイ・ハバガルは、1836年12月14日、英国は、ウースターシャーのアストリーに生まれた。彼女は、英国教会牧師ウィリアム・ヘンリー・ハバガル師の末っ子であった。彼もまた、有名な詩人であり、教会音楽家であった。ハバガル女子は、その生来の才能に加えて、文学においても、音楽においても、徹底的な訓練を受けた。ハバガル女史は、高等教育を受け、教養のある人であったが、主に対する単純な信仰と確信を持ち続けた人であった。彼女は、詩を一行書くごとに、まず、祈ってから書いたと言われている。彼女の全生涯は、気高い霊性によって特徴づけられている。常に、虚弱な健康状態であったにもかかわらず、43歳で早逝するまで、意欲的で創造的な人生を送った。

学業生活のある時期、フランシスは、ドイツのデュセルドルフで学んだ。その町の美術館に、シュテルンベルクが描いた有名な「エッケ・ホモ」と題された、いばらの冠をかぶってピラトとユダヤの群衆の前に立つ鮮烈なキリストの肖像画が展示されている。その絵の下には、「我、ながためにかくなせり;汝、我がために何をなししや?」と記されている。この美術館を訪れ、この絵を見て、ハバガル女史は、非常に感動した。その絵の前を、かなりの時間、凝視していた後、彼女は、鉛筆を取り出し、屑紙にこの賛美歌の詩をあっという間に下書きした。後に、英国の彼女の生家を訪れた際、彼女は再び、その急いで書き留めた詩に注目した。しかし、その詩は、あまりに稚拙であると感じ、ストーブにその紙をくべた。しかし、その紙切れは、炎から床の上に転がり落ちたと言われている。そして、それを彼女の父が発見した。彼は、その詩を残すように娘を励まし、その詩に最初の曲を作曲した。

フランシス・R・ハバガルは、そのほか、聖歌313番「主よわがいのち」、聖歌334番「にいどしのあさ」、聖歌471番「神のたもう安けさは」、聖歌511番「真実・全き心もて」などの作者でもある。

現在の曲「ケノーシス」は、この詩のために、有名なアメリカの福音賛美歌作曲者フィリップ・P・ブリスによって作曲された。それは、イリノイ州シカゴにある鉄道教会の日曜学校のために捧げられ、1873年、ブリスの「日曜学校の太陽」に初収録された。

フィリップ・P・ブリスの作曲した賛美歌は、他に、聖歌196番「たえなるいのちの」、聖歌459番「きよいふみは教える」、聖歌523番「とうだいははるか」、聖歌654番「神のお子のイエスさま」、聖歌734番「信ずるものは何びとも」などがある。

http://godarea.net/