聖書聖書 Bible 

永遠のベストセラー

  聖書ほど世界の歴史や文化に大きな影響を与えてきた本はありません。世界で初めて印刷された活字本は聖書です。そしてその後も多くの言語に翻訳され、今なお世界中で読み続けられています。聖書の知識がなければ欧米の文化・文学を理解することは難しいでしょう。聖書は永遠のベストセラーなのです。 では、この聖書とはどのような本なのでしょう?

 

聖書の定義

  クリスチャンにとって聖書は単なる書物ではなく、「神の言葉」であり、「信仰の規範」です。ですから、その内容が不正に歪められたり付け加えられたりすることがないように、キリスト教会は全66巻からなる旧新約聖書を「キリスト教会の正典(キャノン=基準の意)」として定めました(397年カルタゴ会議)。以後、聖書は改変されることなく現在まで受け継がれています。ちなみに、ユダヤ教では旧約のみを正典とし、カトリック教会ではいくつかの外典(正典ではない文書)を「第2正典」として加えています。

 

聖書の内容

 

聖書は旧約と新約に大別されます。この「約」は契約という意味で、モーセを介して神とイスラエル人とで交わされた古い契約を「旧約」、イエス・キリストによって実現した新しい契約を「新約」と言います。

旧約聖書は紀元前1400〜400年に多くの預言者たちによって書かれました。原語はヘブル語(一部アラム語)で、歴史書(創世記〜エステル記)17巻、詩歌書(ヨブ記〜雅歌、哀歌)6巻、預言書(イザヤ書〜マラキ書)16巻の全39巻で構成されています。 旧約聖書には、神が天地万物を創造したことや、神から離れた人間の罪のことなどが書かれています。また、やがて救い主が現れて新しい契約が与えられるという預言も、この中に書かれています。

新約聖書は西暦50〜100年にイエスの弟子たちによって書かれました。原語はギリシャ語で、歴史書(マタイの福音書〜使徒の働き)5巻、書簡(ローマ人への手紙〜ユダの手紙)21巻、預言書(ヨハネの黙示録)1巻の全27巻で構成されています。 最初の4巻は福音書と呼ばれ、イエス・キリストの生涯の記録です。イエスが処女マリアより生まれ、3年間福音を述べ伝えた後、すべての人の罪の代価として十字架につけられ、その3日後に復活されたことなどが歴史的事実として記されています。また、初めての宣教師パウロが諸教会に送った手紙を始めとする21の書簡は、クリスチャンの信仰生活に指針を与えるものであり、「ヨハネの黙示録」は、終末とともに訪れるキリスト再臨の預言で、未来に希望を見出すものです。

 

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